人気ラーメン店社長に聞く物件探し
【テナントブックオリジナル記事】

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神仙、神やぐら、らぁめん秀などのラーメン店を運営する株式会社全力の元。
なんと創業より100回以上、全国各地のフードイベントに出店している。
さらにはコンビニエンスストア、かっぱ寿司とのコラボも手掛ける、人気ラーメンブランドを経営する石川県の企業だ。

その株式会社全力の元の河方社長にインタビューを行った。
第二回は、物件探しについて伺った。

第1回 人気ラーメン店社長に聞く社員への想い
第2回 人気ラーメン店社長に聞く物件探し
第3回 人気ラーメン店社長に聞くプロモーション



地方が名前を上げるには結果が大事




――物件に関する部分も掘り下げていきます。
起業の経緯から軸足は北陸においていらっしゃいますが、東京に出店した経緯をお教えいただけますか?


デベロッパー様にお声かけいただいたのが始まりです。

地方からブランドや名前を上げるには結果が大事です。
全国各地のラーメンイベントに出店して行く中で、売り上げ一位を取りました。
そこから、神仙という名前がデベロッパー様にも届くようになったり、そこに対しての影響力の強い社長さんとも繋がっていった。
そうしてお声掛けいただく様になりました。

――アクアシティお台場の店舗、羽田空港の店舗は、案件が来てから出店する/しないの判断をされたんでしょうか?

全部そうですね。
東京の店舗の社員もいる中で、コロナ前には路面店も探していました。

(石川-東京と)離れているので店舗管理が難しいんです。
その点、商業施設はお金などの管理をしてくれます。
集客面では館自体に人が来るので、自ずとお客様も増える。
つまり離れていても管理が出来る。
だから、主に商業施設に入っています。

――どういった基準で路面店を探していたんですか?

僕の考えでは、店ごとにコンセプトや存在理由、誰をお客様にするのか決めている。
「店のコンセプトにその場所が合っているか」というのが大事。
若者がガッツリ食べたい商品をコンセプトとしているのに、お年寄りしかいない場所は本末転倒です。
その地域に長く愛されるというのが絶対条件なので「そこの地域、3km圏内の中で圧倒的な一番を取りに行く」という考えでやっています。

東京は路面店であったら店舗数が多く競争も激しいですし、地域一番店を取りにいくときは働く人もパワーが必要。
商品のクオリティや人材教育で東京で戦えるのか、まだ難しいと見て路面店は避けていた部分はあります。

――物件を探す上での条件はどのようにお考えでしょうか?

家賃比率7%は超えたくない。
400万円の売り上げだったら28万円は超えたくない、という線はルールとして決めています。
今はコロナになって、もっと固定費を下げないといけないので、オフィス街や都心は難しい。
23区の中の外側、ベッドタウンの方が大事になってきていると思います。

――7%は東京でも北陸でも同じ考えでしょうか?

東京だと家賃ばかり見ていたら物件は見つからないですよね。
しかし、最低でも10%は超えたくないです。

東京なら小さい箱を二人で回せる、という体制が良いんじゃないでしょうか。

大家さんとの関係




――お客様によってブランドを変えているとおっしゃってましたが、物件探しの一番のポイントは商圏ですか?

石川県だったらまず駐車場です。
どれだけいい場所でも、車が入らない場所は繁盛しない。
視認性が広がるような建物の建ち方、間口の広さが重要です。
それと看板がある程度しっかり作れるかどうか。
金沢って城下町なので、景観条例が厳しいんです。

ストリートビューを見ても多くの車が行き交う様子がわかる


郊外だと看板を目立つようにつけられないといけない。
そこは、大家さんとの良好な関係ができるかどうかです。
お中元とかお歳暮は大家さんに送っています。嫌われないように(笑)

――大家さんとの関係も大事にされているんですね。

大家さんとの繋がりが悪いと、良くないですね。
隣人は大切にしないと、絶対にうまくいかないと思っています。
大家さんにはたまに、何もなくても連絡したりはするようにしています。

何が起こるかわからないじゃないですか。
ボヤを起こしたときに「出ていけ」となるのか「ここでやってていいよ」と言われるのか、関係性が出来ているかどうかというだけだと思うので。
そこは大事にしています。

――何かあったときの話しやすさは、関係性で全く違ってきますよね。

厳しそうな大家さんは、やめた方がいいんじゃないかなぁ...(笑)
僕の知り合いでもコロナの間だけラーメンから業態変更をしようとしたら「契約書と違うじゃないか」と追い出されたり。
でも良好な付き合いをしていたら、そんなことは起こらないと思います。

――物件借りるとき、決定材料にはならないけど要素としては大事、ということですか?

そうですね。
特に今は「何を誰にどこで出す」というマーケティングの中で、場所を間違ったら後には引けないので。
良い商売・良い人材だろうが、場所を間違えたらすべてがうまくいかない。
慎重になりますよね。
決めるときは決めなきゃいけないので、最後は第六感です。

この地域の人たちを熱狂させたら楽しいだろうな




――100%理想通りの物件は存在しないと私は思っています。

僕もそう思ってます。

――では、理想通りではない=妥協する事がある一方で「これだけは妥協できないポイント」はありますか?

北陸の場合「ターゲット層の顔が見えること」というポイントは妥協できない。
商品に明確なコンセプトを作ってるので、それを認める層がないところではやらない。

逆に少し暗いところや競合がいないところで、「この地域の人たちを熱狂させたら楽しいだろうな」と思って出店することもあります。

――そこの可能性にかけて店を出すこともあるんですね。
東京の場合、そのお考えは変わりますか?


コロナ前までは良い場所、確実に人がいるところなら歩率20%でも率先して入ろうと思ってました。
ただ、今まで人が集まるところに人が集まらなくなった。
これは2年くらい見なければいけないと思います。
インバウンドが戻るまでは、4年くらい見ている。
なので、東京なら少し外れたベッドタウンの方が良いですね。
住んでいる人がいる、必ずそこに帰らなきゃいけない人がいるところ。
誰だって食事はしなきゃいけないし、外食はなくならないですから。
帰ってくる数を見なきゃいけない。

まとめ




インタビューを行う中で、どこか少年のような目の輝きが河方社長から見えた。
飲食店がファンをつくるには、まずお客様を熱狂させたいという想いがないといけない。

全力の元のホームページを見てまず目に飛び込むのは「街に活力と潤いを与え続けます。」という言葉だ。
お客様を熱狂させたいという想いを持ち、表現することがファンづくりの第一歩なのかもしれない。

最終回となる次回は、全力の元がここまで拡大する大きな要因であるプロモーションについて伺う。



第1回 人気ラーメン店社長に聞く社員への想い
第2回 人気ラーメン店社長に聞く物件探し
第3回 人気ラーメン店社長に聞くプロモーション

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