もうやんカレー辻社長が大事にしている、顧客とのコミュニケーションとは?【テナントブックオリジナル記事】

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芸能界、スポーツ界などにも多くのファンがいる、特別なカレー店。
それがもうやんカレーだ。
関東を中心に12店舗を展開するこの店を、カレー好きのみならず、知っている方は多いだろう。

ここまで存在感を出せるようになった理由や、どうやって物件を探しているのかを、テナントブックユーザーの皆様に向けてお答えいただいた。

最終回となる第3回目は、この時代のプロモーションと、顧客とのコミュニケーションについて語っていただいた。

第1回 もうやんカレーが多くのファンを生み出した理由
第2回 物件選びのポイントと看板のテクニック
第3回 この時代のプロモーションと顧客とのコミュニケーション(今ここ)



――ターゲットを絞らない、逆に言うと全世代をターゲットにしてるから、若者に対してもフォーカスしてどう行動を取ってるのか観察されてるんですね。

同年代なら大体わかります。
50代になるといろんな物を食べてて、料理も自分で出来るし、酒だって家で飲めばもっといい酒飲めるし。
地に足ついちゃうから。
そうするとパーティとか、そういうことをやらないと来ない。

若者だと30代くらいのYoutuberの方とか、お客さんで多いんです。
そういう人たちが動画を上げてくれるんですよね。
宣伝費もかからないし、非常にありがたいことで。
お礼はしますけどね。
チャンネル登録者数が30万人とか80万人とかいる人がタダで色々やってくれるから、ありがたくて。
ネタに困ったらいつでも言ってくださいと話してます。

コロナの時は店も営業してないから、
通販の商品を「ネタで使ってください」ってあげたら、通販の売り上げが一気に上がって。
今はそういう時代じゃないですか。
ファンでいてくれるYoutuberの方が何人かいると、商品をあげて何かの番組作ってとお願いして。
必ず通販のURLを貼ってもらって。
そうすると一気に売り上げが上がる。
ネット、SNSとかFacebookとかあの辺でやり方はだいぶ変わったんじゃないですか。

テレビやったってあんま見てないじゃないですか。
この間も出ましたけど、あまり見られてないんですよ。
結局、僕がテレビの前で携帯で撮ったやつを、みんな後から見るみたいな。
タイムリーじゃないですよね。
Youtubeにあげたらすぐ削除されるし。

――私も、テレビは以前の方が見てたなと、ネット見てる時間の方が圧倒的に長いなと思います。
特に10代20代はそうですよね。


うちの子供もテレビを見ないですよ。
ネットでテレビを見ることはあるけど、基本的にはYoutubeとか。
なんでも見れるじゃないですか。そっちで見てます。
僕も最近、ここ半年1年くらいはテレビを見ることが本当に少なくなって。
唯一録画して見ちゃうのは、ダウンタウンと釣りだけ。
それをすべてCM飛ばして見る。
コマーシャルの意味がないですよ。

Youtubeだと好きなもん見れるし、面白いし。
ここ15年くらいで一気に変わっちゃったんじゃないですか。

店を始めたころにTVチャンピオンに出たんですけど、その時はもう大ブレイクですよ。

若かりし頃の辻社長

©テレビ東京 TVチャンピオン カレー屋さん選手権


20年くらい前だと、他にメディアがないから。
携帯だって、パソコンもないでしょ。
テレビしかない。

テレビってターゲットを絞らない人に、ドーンって行くじゃないですか。
子供もおじいちゃんも、見たくない人も見ちゃうんですよ。
だからブレイクが半端じゃなく続く。
そのあともV6の番組に出たんですよ。
そしたら半年くらいブレイク続く。

だけど、ある時期からどこで1位取ろうが何しようが、あれ?ってタイミングがあったんですよ。
10年ちょっと前かな。
そのくらいからみんなスマホに移行して、テレビの影響力がなくなった。

最近のYoutuberの方に取り上げてもらうと、うちの場合だと通販とかお店の客層で大体わかる。
客層が明らかに違う。
「あの(Youtubeの)番組を見てきました」とも言われるし。

――先ほど釣り番組は録画してる、という話が出ましたが、
お客様向けにクルージングをやってらっしゃいますよね。
どういった目的でやってらっしゃるんですか?


カレー屋が提供しているとは思えない、不思議な画像


目的はサービスですよ。
元々僕が好きで釣りなんです。
船に乗るのも好きで。
自分で楽しむためと、スタッフ乗せて飲んだくれるために、15年くらい前に買ったんです。

でも、せっかくあるからお客さんのために出来ないかなと。
スタンプカードで良く来てくれる人は特別扱いしなきゃいけないなと。
今はスタンプカードを貯めてくれた人のためにやってるんですよ。

――この金額は「売り上げを作るためのものじゃないな」とは思っていました。

スタンプカードにクルージングサービスって書いてあるんですけど、「どれくらいの価値があるの?」ってお客さんから聞かれて。
それで、あの値段を書いたんですよ。
その値段を払ってくる人はまずいないです(笑)

毎年夏になるとずっと海にいるんですけど、みんなスタンプカード満タンのお客様。
ガソリン代と僕の人件費だけなんで。
僕も楽しいし。

カレー屋さんって、お客さんと話すことってないじゃない。
例えばバーなら話す機会もあるじゃないですか。
だから名前も知らなきゃ、どんな仕事をしてるかも知らない、喋ったこともない。
でも、顔は絶対知ってる。そういう方が一杯いるんです。
そういう方たちとコミュニケーションを取りたかったというのもあった。
毎年、結構来るんですよね
来るためには名前と連絡先を書かなきゃいけないから。
メールのやり取りもするし、店に来た時に色々話もするし。

4時間くらい一緒にいるから、コミュニケーションが取れるんですよね。
それが僕がしたかったことだから、タダだろうがなんだろうがかまわないんです。
僕も楽しみだから。

――コミュニケーション取りたいと思ったのはなぜですか?

商売上、ずっと「いらっしゃいませ、ありがとうございました」しか言わない仲の人っていっぱいいるんですよね。
で、逆に話をすると話し込んじゃうんですよ。
前だったら自分でフライパンを振ってたから、話し込んでると止まっちゃうんですよ。
そんな人数に余裕のある仕事じゃないから。
時間を作って、というのをしたかった。
ちょっとずつですけど、今ようやく出来てるかなと。

――そのお話が店舗運営に活かされる事もあるんですか?

もちろん。
生の声を聞ける、いろんな年代の人が来るんです。
「あれまずい、これ高い、これいらない」とか(笑)

4時間いるから、終わるころにはベロンベロンになってるんですよ。
だから言いたいことを言い始める。
僕は平常心で「気をつけまーす」とか言って(笑)

今はビッチリ店にいることも少なくなったけど、以前はオーダーストップになってお客さんが出るだけになったら、外で待ってたんですよ。
「どうでしたかー」とか色々聞けるじゃないですか。
今は中々それもできないから。
たまにパーティ開いて呼んだり、船で話をしたりとか。
そこは僕の情報集めですね。
今の年代の人の情報、生の情報...。

それも普通に聞いたんじゃ、悪いことは言わないから
悪いこと言うのってエネルギーいるんですよ。
でも、「これだけおもてなししたし、一個くらい言ってくれてもいいんじゃないの?」って言えるじゃないですか。
向こうも「これだけしてもらったら何でも言うよ」って。
それだけしなきゃ出てこない。

普通に食べてて「いかがでしたか」って聞いたってみんな「おいしいですよ」しか言わない
そんな意見はいらないんですよ。
「本当のところどうなんだ」というのを聞きたい。

――最後にベタな質問なんですけど、今後の展望をどうお考えですか?

コロナとかも色々ありましたけど、フランチャイズの話は何件か来てるんです。
フランチャイズしようかとか、ソースだけ売るかとか、その辺は今年はやるかな。
話が何件か来てるのがあるので、それをどうまとめるかというところ。
この情勢だから、直営は今年は出さないかな。

ただ、いい物件があったら、さっきのカレーうどん屋はやろうと思ってます。

まとめ




もうやんカレーがこれだけ長い間愛されている理由が、このインタビューで分かった気がする。
とにかく"常に顧客を見ている"のだ。
様々な方法で顧客の考えを聞き出し、店舗運営に活かしていく。
それを徹底的に行っているから、これだけ多くのファンを生み出したのだろう。
今飲食店をやっている方も、今後やっていこうとしている方も、常に顧客の事を考えて店舗運営をしていただきたい。

第1回 もうやんカレーが多くのファンを生み出した理由
第2回 物件選びのポイントと看板のテクニック
第3回 この時代のプロモーションと顧客とのコミュニケーション(今ここ)

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