【連載コラム第一回】
業態 :自分の店舗の業態を把握する



本コラムはスパイカ株式会社がテナントブックのユーザー(既存店舗を持ちながら追加出店を考えている方々)を対象に、①業態 ②多店舗化 ③路面店選び ④商店街の店舗 ⑤ロードサイド物件 ⑥商業施設への出店 について本サイトに寄稿する第2回目です。

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Ⅰ:業態―自分の店舗の業態を把握する




独立開業するにあたっては、予算、立地、物件(1F、空中階、坪数)様々な制約の中で物件を選び、出店に辿り着いた方が多いと思います。試行錯誤した1号店も落ち着いて、2号、3号店など次の店舗を出す前に、一度自分の店舗の業態と多店舗化する意味について整理しておきましょう。

1:まず、現在の状況を整理してみましょう。
①開業前に想定したお客様の層、客単価、お客様の評価は予想通りでしたか。
予想と現実はどのような違いがありましたか。

☑会社員、OLさんに来店して欲しかったが学生が多く客単価が上がらない。
☑会社員、OLさんのお客様で、客単価5,000円位を目指していたが3,000円前後の客単価で思ったように、売り上げが上がらない。
☑ファミリー客が多くて、他のお客様からクレームを受けた。
☑お店の場所が解りにくい、と言われた。
☑接待需要を狙っていたが、予約が入らない。
☑早い時間は近所のシニア層や帰宅帰りのチョイ飲み需要、19時以降は会社員を狙っていたが思うような集客ができていない。
☑お客様に値段が高い、と言われた。
☑料理が出てくるのが遅いと言われた。
☑休みが取れず疲れている。
☑売上が一定せず、毎月の支払が苦しいことがある。

・・・など、開業前の予測(目論見)が全部上手く行くなんてことはまずありえません。

料理や接客だけでなく、社員さんやアルバイトさんの問題も含めると様々な問題が起こり、1号店を経営したからこそ初めて解ることが沢山あります。

問題の原因を突き止め、問題解決や解決のための修正はできましたか?
問題の原因を探るとき、立地やその立地の中でのポジション取りからくる問題はありましたか?

自分の店舗の現状把握のために、現在の立地と、立地の中のポジション取りを確認しましょう。

②現在のあなたのお店は、どのような立地にあり、どのようなポジションを取っていますか?
お客様の来店動機から考えてみましょう。

Q:あなたのお店に来るお客様の来店動機はどのような理由ですか。
➡来店動機は二つの視点から考えることができます。

① 通りがかりのお客様が来店 ➡ 前面交通量に左右される店舗
② 名物の〇〇〇料理や雰囲気の良い落ち着いた店舗空間が目的のお客様が来店 ➡ 目的性が高い店舗。

①前面交通量に左右される店舗
・お店の前を通る人数の〇%が入店してくれる。
ファストフードや立ち食い蕎麦屋、カレー屋、カフェ、定食屋、チョイ飲み(立ち飲み)など、滞在時間が短く単価もそう高くなく、回転数で売上を作る店舗。

②目的性が高い店舗
・あの名物料理が食べたい、お洒落なお店の雰囲気が好きだから行きたい、名物マスター(ママ)好きだから通っている。などお客様が何らかの目的を持って通うお店。
お客様が求めるものがハッキリしているためリピーターを作り易い。そのため、価格競争に巻き込まれにくく、空中階や駅から離れた2等立地であっても集客できる。

あなたのお店は①と②どちらのポジションに近いお店ですか。

【エリア・ポジション】

スパイカ作図

前面交通量が多いエリア(多くの人が行き交う場所)は、駅前、ターミナル駅周辺、商業立地、ビジネス立地です。家賃が高いため売上高も必要となり、アルバイト争奪戦が起こりがちで、時給(人件費)も高くなります。前面交通量に左右される店舗を営業する際、例えば、素早くランチを食べたい、と考えるビジネスマンに対し、ハンバーガーや立ち食い蕎麦、カフェ、定食屋、カレー屋など業態問わず、競合店になります。

一方、目的性の高い店舗はあまり立地を選ばず営業が可能であるため、接待向けの店舗でない限りわざわざ家賃の高いエリアに出店する必要がありません。

自分のお店がどのようなポジションのお店で、強みは何かを考えておく必要があります。では、何が強みになるのでしょうか。強みは店舗を構成する4つの構成概念により作られます。

次回は、店舗を構成する4つの概念について考えていきます。

コラムまとめ
第1回 業態   :自分の店舗の業態を把握する
第2回 業態   :店舗をつくる4つの構成概念
第3回 多店舗化 :家業でやるか事業でやるか
第4回 多店舗化 :家業と違う事業化の難しさ
第5回 路面店選び:立地を考える-笹塚駅周辺分析
第6回 路面店選び:物件を考える

田上 百合子(たのうえ ゆりこ) スパイカ株式会社 代表取締役
店舗開発プロデューサー/出店戦略コンサルタント
大手内装会社を経て、美容・外食・小売のチェーンストア本部で店舗開発職及びスーパーバイジングに従事後独立。
独立後は、国内外において店舗出店及び新規店舗事業構築に伴う、出店戦略立案、経済条件交渉、コンストラクションマネジメント、予算管理、運営設計まで一貫した店舗事業プロデュースの他、本部と現場の仕組み化などの経営支援に従事する。