居抜き物件を譲るなら!
やっておくべき造作譲渡の方法とは?



店舗を閉鎖したり別の場所に移転したりする場合、物件から退去することになります。その場合、造作譲渡ができる可能性があることを知っておくことが重要です。造作譲渡を行うためには、「造作譲渡とはどんなものなのか」「メリット・デメリットは何か」などを理解しておく必要があります。そこで、今回は造作譲渡のポイントについて解説します。

居抜き物件の造作譲渡って何?




居抜き物件の造作譲渡とは、店舗を退去する造作所有者が新しく入居する人に対して造作を譲渡することをいいます。造作は、物件入居時に設置した設備や備品などのことです。物件を借りる人が替わる場合、すべての造作を取り払ってから退去・入居を行うケースもあります。この場合、新しく入居する事業者に造作は引き継がれません。退去する造作所有者が撤去してから退去を行うことが必要です。

しかし、新しく入居する人が造作の取得に同意する場合、造作はそのまま残して売却することになります。新たな居抜き物件の入居者は、造作をそのまま活かして物件の一部として利用することが目的の場合もあります。造作をそのまま活かして開店できれば、造作を設置する必要がないことが居抜き物件の魅力の1つです。そのため、居抜き物件の退去する場合は、造作に関する条件を含めて造作譲渡契約を締結することが大切です。契約にあたっては、「造作部分の価格をどうするか」「引き渡しはどのような状態で行うのか」などについて、交渉のなかで明確にし、契約書上で明記にすることがポイントになります。

造作譲渡のメリット・デメリット




造作譲渡を行う場合、メリットとデメリットがあることを認識しておくことが重要です。主なメリットは、3つあります。1つ目は、有償譲渡を行う場合は、造作に対応する分の譲渡対価を受け取れることです。譲渡によって受け取ることができる資金が増加するため、退去費用の足しにできるなど、資金的に楽になります。2つ目は、原状回復の時間やコストがかからないことです。造作を含めて売却するということは、造作を撤去する必要がないことを意味します。撤去するためには、時間もコストもかかるでしょう。その分の時間とコストを節約できることがメリットになります。3つ目は、物件に入居する新しい事業者側にもメリットがあるため、交渉しやすくなることです。物件の新しい入居者は、初期投資を抑えたり早めに開店できたりするなどのメリットがあります。

一方、デメリットもあります。メリットだけでなくデメリットについても正しく認識しておくことが重要です。主なデメリットは、2つあります。1つ目は、購入契約の希望者が現れるまでは造作譲渡の交渉を始められないことです。交渉相手が明確になるまでは、造作の取り扱いを決めて売却の準備を進めることもできません。2つ目は、造作譲渡にこだわりすぎると、退去の期限に間に合わなくなる可能性があることです。期限までに交渉を終わらせようとすれば、創作譲渡対価の引き下げを余儀なくされる可能性もあるでしょう。

造作譲渡料の金額は?




造作譲渡を行う場合、「どのぐらいの金額で譲渡できるのか」についても気になるかもしれません。譲渡価格は交渉によって決まります。そのため、標準的な価格は存在しないと理解しておくことも大切です。特に、飲食店のカウンターその他備品などは、物件を取得したオーナーがさまざまな事情に基づいて、どのように評価するかによって異なってきます。ただし、厨房機器については一定の目安があることを知っておきましょう。厨房機器については、業態による影響をそれほど受けないことが特徴です。ある程度標準化されているものであるため、取得価格や耐用年数・使用年数などから中古品としての価値を割り出して交渉することが可能になります。

また、立地条件も重要です。造作譲渡料は、立地条件に大きく左右されることが特徴です。立地が良ければ同じ造作であっても高く購入してもらえる可能性があります。さらに、造作物の状態がよくない場合であっても、立地が良ければ高い譲渡料で合意できる可能性も否定できません。造作譲渡料について、ある程度強気の交渉をすることが可能です。好立地物件は、購入側にも大きなメリットがあることを認識して交渉することが重要になります。

造作譲渡契約書の作成方法




居抜き物件の造作譲渡を行う場合は、造作譲渡契約書を作ることも大切なポイントです。契約書作成にあたっては、専門家のサポートを得ることも重要になります。居抜き物件売買専門業者や行政書士などの立ち合いのもとで、契約書を作成しましょう。契約締結は、造作譲渡の条件をすべて決めてから行います。合意事項は、造作譲渡の対象となる品物のリストや譲渡金額、引き渡しの期日などです。また、賃貸契約書の特約として造作譲渡を行うケースもありえます。ただし、特約にしてしまうと賃貸契約のキャンセルが生じると特約も同時にキャンセルされてしまうことがリスクです。賃貸契約書の特約ではなく、別途、造作譲渡契約書を作成したほうがよいでしょう。

造作譲渡契約書に含める主な項目は、譲渡合意の対象となっている造作譲渡品のリストや造作譲渡料、引き渡し期日です。また、支払い方法や支払期限、支払い遅延があった場合のペナルティの記載も必要になります。さらには、善管注意義務、危険負担、契約解除条件なども網羅した契約書にすることが重要です。あとでトラブルにならないように、細かい点も含めて、合意した内容については契約書にすべて記載することが基本だといえます。

造作譲渡をする際の注意点




造作譲渡を行う場合は、3つの注意点があります。1つ目は、造作物の所有権を確認することです。当然のことながら、所有権がない造作については譲渡も処分もできません。自らが設置した造作は、基本的には所有権があります。しかし、入居前から設置されていた造作は、物件オーナーが造作の所有者である可能性も否定できません。造作譲渡契約を行う前に、自らに所有権がある造作かどうかを確認しておきましょう。2つ目は、リース契約の機器です。リース契約の対象となっている造作物とそれ以外の造作物とは明確に区別して造作譲渡の交渉を行うことが必要になります。造作譲渡を行う相手に対して、どの部分がリース契約対象の機器なのかを事前に説明しておきましょう。

3つ目は、物件の貸し主に対して賃借人が変更することを事前に承諾してもらうことです。一般的な賃貸借契約の場合、賃借人が変わることについては物件オーナーの承諾が必要になります。入居予定者と造作交渉を進めていたにもかかわらず、最終段階で「物件オーナーの賃借人交代の承諾が得られない」ということにならないように、事前に承諾を得てから交渉を進めることが大切です。

スムーズな造作譲渡をしよう!




居抜き物件の造作譲渡を行う場合は、トラブルが生じないように注意点を意識して譲渡を進めていくことが重要になります。まず、物件オーナーとのトラブルが生じないように、造作譲渡の交渉へ入る前に承諾を得ておくことが必要です。また、新たな入居者との交渉にあたっては、造作対象物の所有権やリース機器などを確認したうえで、対象となる造作物のリスクを作成することも欠かせません。さらに、契約書作成にあたっては、必要な項目をもれなく含めることはもちろん、造作譲渡に詳しい専門家のサポートを受けることも必要です。造作譲渡には、「資金が手に入る」「造作撤去のコストや手間が省ける」などのメリットがあります。造作譲渡のポイントを理解してスムーズの売却を進めましょう。