飲食店経営に欠かせない基礎知識!
利益率を上げるコツを紹介

利益率画像

飲食店経営で利益を出し続けるためには、売上高を増やすだけでなく、コスト管理を徹底したうえで利益率も上げていく必要があります。そのためには、利益や利益率の計算、経営のための指標などを知っておくことが大切です。

そこで、経営を改善したいと望む飲食店経営者に必要な利益率や費用などの基礎知識について、利益率を上げるコツも含めて詳しく紹介します。

利益率とは?経営が軌道に乗っているかを見る重要指標





利益とは、事業で実際に儲かった金額のことを指し、「売上-費用=利益」という式で求めることができます。たとえば、売上高が1000万円、仕入れや人件費、家賃などの費用が900万円の場合、「1000万円-900万円」となり100万円の利益が計上されます。

そして、計上された利益が売上高に対してどれくらいの割合を占めるのかを表した比率を利益率といい、この値は、経営が軌道に乗っているかどうかを示すための重要な指標になります。

飲食店のオーナーシェフや店長の場合、料理や接客を得意とすることが多い半面、このような数値的な指標の管理を苦手とするケースも少なくはありません。とはいえ、いわゆるどんぶり勘定では、経営が立ち行かなくなる可能性もあります。だからこそ、そのようなことがないよう、利益率などの指標を活かした管理を心がけることが大切なのです。

主な利益の種類は5つ!





財務諸表に記載される利益には、内容によって異なる5種類の利益があります。

◆売上総利益


その一つが、売上から原価や仕入れ値などを差し引いた利益である売上総利益です。一般的には、粗利といわれることもあります。

◆営業利益


そして、売上総利益から人件費や広告費、家賃、通信費などの販売費や一般管理費を差し引いた、本業によって生まれた利益が営業利益です。

◆経常利益


3つ目が「(営業利益+営業外利益)-営業外費用」で求められる経常利益になります。経常利益には、毎期、反復的に発生する不動産収入や受取利息等の営業外利益、そして、支払利息などの営業外費用が含まれます。そのため、本業以外が加味された経営状態を示すことができます。

◆税引前当期純利益


そして、4つ目は「(経常利益+特別利益)-特別損失」で計算できる、税引前当期純利益です。その期の事業年度で生じた、特別利益や特別損失などの本業以外の臨時的な損益が加味された、税金が差し引かれる前の利益になります。主な特別利益には、固定資産売却益や投資有価証券売却益などが、特別損失には、固定資産売却損や投資有価証券除却損などがあります。

◆当期純利益


続いて、5つ目の利益が「税引前当期純利益-法人税」で求められる当期純利益です。納税後にどのくらい儲かったのかが示される指標になります。

利益率の計算方法をおさらいしよう





利益率は、「利益÷売上高×100」という式で求めることができます。たとえば、売上高が1000万円、利益が100万円の場合、「100万円÷1000万円×100=10%」となり、利益率は10%となります。

また、利益額が同じ100万円でも売上高が500万円の場合、「100万円÷500万円×100=20%」となり、利益率は売上高1000万円の場合より10%多い、20%という結果になるのです。当然ながら、利益率が高いほど収益性が高いと判断できます。

このように利益率は、売上高だけでは把握できない事業の効率性を確認できる指標となっているのです。そのため、コスト削減や経営効率などを改善する際の指標としても役立てることができます。

ただし、改善案を実行に移す際は、途中経過を確認するためにも、決算期だけでなく月次試算表などを基に、定期的に利益率の変化を把握することも大切です。そうすることで、直近の売上目標やコスト削減目標なども設定しやすくなります。

飲食店経営で重要な指標1:営業利益率





飲食店を経営するうえで必要となるいくつかの利益率のなかで、本業がどれだけ儲かっているかを知るための重要な指標の一つに営業利益率があります。

営業利益率とは、営業利益が店舗での売上高の何%くらいを占めるかを表す指標であり、「営業利益÷売上高×100」という式で求められます。また、営業利益を求める際に売上高から差し引く費用は、飲食店の場合、人件費や食材の仕入れ代、テナント物件の家賃などになります。

そこで気になるのが、安定的な飲食店経営ができているかどうかの指標となる営業利益率の値です。この割合は、経営規模や業態、開店時の借入金額によって異なるものの、一般的な目安は、10~15%といわれています。

この値は、元本返済や利息の支払いを含めてもある程度安定的に飲食店経営ができる目安ともいえます。もし、営業利益率が10%未満の状態が続く場合は、早めに改善すべき点や対策を検討することが大切です。

飲食店経営で重要な指標2:FL比率





営業利益率同様、飲食店経営の重要な指標の一つに、FL比率というものがあります。FLのFはFood(食材費)、LはLabor(人件費)を表します。そして、FL比率とは、売上高のうち、FLコストがどのくらいの割合を占めるかを示したもので、「(食材費+人件費)÷売上高」という式で求められます。

このFL比率は、経営が軌道に乗るかどうかを判断できる、飲食店経営者にとって重要な指標の一つで、一般的に目標とすべき数値は50~55%となります。

一方、平均的な飲食店のFL比率は55~60%となっているため、食材費や人件費がかかりすぎている可能性が高く、改善の余地が残されていることがうかがえます。さらに、FLコストの調整がうまくできずFL比率が65%を超えている場合、食材費や人件費が経営を圧迫している可能性があるので、早めに改善することが大切です。

ただし、いきなり数値だけの目標を掲げても具体案がないと実現は難しいため、まずは実現可能な改善案を検討し、FL比率55%未満を目指すことをおすすめします。

経営を軌道に乗せるには?利益率を上げるポイント





このように、飲食店の経営を軌道に乗せるには、利益率を上げることが必要です。そのためには、コストカットをしたり、売上を伸ばしたり、また、値上げをするなどの方法があります。ただし、前述した食材費や人件費であるFLコストをはじめ、さまざまな費用を抑えるコストカットは、料理やサービスの質の低下を招かないようにすることが大切です。

たとえば、食材については、過去のデータなどから食材の仕入れの効率化を図り、廃棄ロスをなくしたり、質を落とさずできるだけ安い仕入れ先に変えたりといったことを検討することで改善できます。

また、人件費に関しては、スタッフのシフト管理を徹底し、無駄な人件費がかからないようにすることで改善が可能になります。

続いて、値上げに関しては、費用は維持したまま売上高だけが増えれば、利益率アップは可能になりますが、値上げにより客足が遠のく可能性も考えられますそうなっては、値上げの意味がなくなるため、どの商品をどの程度値上げするのかをしっかりと検討する必要があります。

また、サービスを充実させることで顧客満足度を上げることも売上アップに貢献できる対策といえます。

利益率やFL比率を理解して経営状況を把握する





安定的な飲食店経営を実現するには、売上高や費用を計上するだけでなく、月次決算の数値から経営改善のための指標を見出すことが大切です。そのような指標を活用することによって、仕入れた食材を無駄にする廃棄ロスを最小限に抑えることが可能になります。また、人件費についてもシフト管理を徹底することで抑えることができます。

このように、さまざまな改善方法を模索する際に、目安として活用できるのが、営業利益率をはじめいくつかの利益率やFL比率などの指標です。

利益を出し続けて安定的な経営を実現するには、これらをしっかりと理解したうえで、店舗経営を見直すことが重要だといえます。