飲食店経営の基本!
最適な原価率を目指そう!

原価率_画像 飲食店をうまく経営していくためには、原価率という概念をしっかりと理解しておく必要があります。そのうえで、店のスタイルに最適な原価率を目指していくことが非常に大切になるのです。

そこで、今回は原価率とは何か、そして最適な原価率を目指すためのポイントについて解説し、業種別の原価率の特徴についても紹介します。

 

原価率とは?






原価率とは、店の売上に対する原価の比率のことです。飲食店であれば食材費が原価にあたるので、「食材費÷売上×100」が原価率ということになります。

例えば、200円で仕入れたものを1000円で売り上げた場合の原価率は20%です。

もう少し具体的に考えてみましょう。1食あたりの食材費が300円かかるラーメンを1000円で客に提供するとします。このラーメン10食分の食材を仕入れてすべて売り切れたとき、食材費が3000円、売上が1万円です。すなわち、原価率は「3000円÷1万円×100」で30%ということになります。

また、10食分の食材を仕入れたにもかかわらず6食しか売れなかった場合、食材費は変わらず3000円ですが売上は6000円に下がります。その結果、原価率は「3000円÷6000円×100」で50%となるでしょう。



このように、売れ残りなどが発生するとそのメニューの原価率は上がることになります。これは、1つのメニューについてだけではなく店全体についてもいえることです。店全体の売れ残りなどが多ければ多いほど原価率は上がり、経営効率が悪化してしまうのです。

こうした側面に関しても、原価率を計算することで店の実質的な経営効率を把握しておくことができます。そして、メニューの金額を見直すなどの具体的な対策を行うきっかけとなるのです。

 

最適な原価率とは?






◆理想は30%以内


飲食店経営において、原価率は30%以内におさめるのが理想的だとされています。とはいっても、食材の値段は季節などの要因による変動が激しいため、原価率はピンポイントではなく通年で考える必要があるでしょう。

また、原価率は利益を圧迫しない程度の水準を保つのが基本です。食材の他にも、人件費や店の家賃、光熱費など、飲食店の経営ではさまざまな支出が発生します。それらの費用は売上からまかなう必要があり、さらに利益も出さなくては経営が成り立ちません。

原価率が30%だとすると、人件費は30%で家賃が10%、光熱費が8%、店の宣伝などにかける経費が12%という比率が理想的だとされています。売上からこれらの費用を差し引くと、10%が利益として残る計算になります。

理想の原価率

◆原価率は店全体のバランスで考えよう


なお、原価率の理想が30%以内とはいっても、1つ1つのメニューの価格をすべて理想的な水準に設定する必要はありません。

例えば、料理とドリンクを1種類ずつ提供している飲食店があるとします。料理の原価率が50%だとすると、料理ばかりが売れたときはほとんど利益が出ず、経営が苦しくなることが予想されます。しかし、原価率10%のドリンクが料理と同じだけ売れていれば、店全体の原価率は30%、つまり理想の水準を満たせるということになるのです。

このように、原価率は店全体のバランスで考える必要があるといえるでしょう。実際に、原価率の高いメニューで客引きを図って他のメニューで採算を合わせるという戦略は居酒屋などでよく行われています。

 

最適な原価率を維持していくためのポイント






飲食店経営で最適な原価率を維持していくためには、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。

 

◆原価率を意識したメニュー価格を設定しよう


まず、最初にメニューの価格を設定するときには必ずそれぞれの原価率を確認するようにしましょう。このときに大切なのは、単純に「原価率÷30×100」の公式から価格を決めるのではなく、全体のバランスを考えたうえで決めていくということです。

店の目玉となるメニューは原価率が多少大きくなっても安めに価格を設定するなど、工夫しながら価格を決めていきましょう。経営が長くなるにつれて戦略がうまくいっているかどうかも明らかになるので、こまめに価格をチェックすることも大切です。

 

◆食材原価を適宜チェックしよう


また、食材費に変動があって原価が変わった際にも、改めて原価率を確認してメニューの価格について再考するのが賢明でしょう。

1週間ごとに売上を確認して、原価率を維持するためにオーダーミスや売れ残りが少なくなるように工夫していくことも重要です。オーダーミスや売れ残りは利益に直接影響を与える部分なので、こまめな確認と早めの対策が必要なのです。1カ月ごとにそれぞれの食材の原価をチェックし直し、メニューごとの粗利を予測することもポイントの1つでしょう。

売上から原価を引いた金額である粗利を計算しておくことは、メニューごとの利益効率を把握するのに役立ちます。利益効率を常に把握しておくことで、最適な原価率を維持できる可能性も高まるでしょう。

 

業種別に見る原価率の特徴






飲食業界においては、業種ごとに原価率の特徴が異なります。

 

◆カフェ


まず、カフェの場合はドリンクの注文が多いため、ドリンクの原価率をなるべく抑えておくと利益アップに効果的でしょう。

カフェは快適な時間を過ごせる場所として認識されていることが多く、充実したサービスを求められる傾向があります。そのため、他業種よりも人件費や家賃に多くの費用をあてる必要があり、その分原価率を抑えなければならないという側面もあるのです。ちなみに、コーヒーの原価率は10%程度が一般的だとされています。

 

◆レストラン


レストランの場合、客が時間をかけて多様な料理を楽しむ場所という性質上、原価率が高くなりやすい傾向があります。

また、厨房やフロアなどに人員を分けて配置する必要があるため、人件費も30%を超える店が多いようです。レストランでは特に原価率が高めのフードの注文が多いので、ドリンクが売れるように工夫すると利益がアップしやすくなるでしょう。

一般的に、レストランが提供するフード対ドリンクの比率は8対2程度だといわれていますが、それよりもドリンクの比率を大きくすると効果的です。さらに、フードのメニューそれぞれで原価率にメリハリをつけることも利益アップには有効でしょう。

 

◆ラーメン


ラーメン店は原価率が30%前後に保ちやすい業種です。また、カウンター中心で席を用意するなどの工夫で人件費も抑えやすいため、個人開業には向いている業種だといえるでしょう。

ラーメン店では、ドリンクに力を入れつつ、回転率を上げると利益アップに効果的です。そして、原価率に大きな影響を与えるのがスープの種類だといわれています。

さらに、どんなトッピングをするかによっても原価率が変わってくるので、煮卵やチャーシューの原価がどれくらいなのかを考慮する必要があるでしょう。

 

◆居酒屋


居酒屋は、特にメニューによって原価率が大きく異なる業種だといえるでしょう。主力となる生ビールや刺身は原価率が高く、生ビールは40%、刺身は50%以上だとされています。そのため、原価率が抑えられる商品に力を入れて訴求していくと利益が上げやすいといえます。

例えば、原価率の低いサワーやだし巻き卵などを前面に押し出して販売していくといった戦略などが挙げられるでしょう。

 

理想の原価率を目指そう!






飲食店を経営していくうえで、原価率について考えることはおざなりにできないポイントです。原価率を店にとって最適な水準に保つことで、継続的に利益を上げていくことができるでしょう。

また、最適な原価率は飲食店の業種によっても変わってきます。それぞれの業種の原価率の特徴を押さえ、 メニューごとの原価率にメリハリをつけるなどの工夫をして、賢く飲食店を経営していきましょう。